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2021年2月1日より
MUSIC REPORTは、『Yuri Nakae Official Fan Community』内で連載を継続いたします。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
コミュニティ運営スタッフ
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2021.1.25
つい先日、久しぶりにスタジオで歌いました。
歌うのはレコーディング以来です。
アルバム収録曲は身体が歌を覚えているようで、馴染み深い友達に再会した気分でした。
初めて歌う曲は、一音一音そっと触れるみたいに歌いました。
好きな曲のカバーにも挑戦しました。
歌うことは楽じゃないのに、とても楽しい。しみじみとそう思います。
歌はひとりではないからかもしれません。この日も松井五郎さんに歌い方や発声のアドバイスをいただき、シンガーソングライターのQoonieさんにはピアノとコーラスで支えてもらいました。
休憩中、Qoonieさんに訊ねました。
「レコーディングとライブでは歌い方の違いはありますか?」
「レコーディングは同じオケで何度も歌いますが、ライブはリハーサルも含め、厳密には同じ演奏は二度はない。なのでミュージシャンの出す音によって、歌も変化しますね」
毎回力を尽くしたとしても、同じようなコンディションで同じ音を出せるわけじゃありません。
でも誰かと音を合わせることで、自分でも思わぬ音を引き出されることがあります。
それが面白く、楽しい。
自分一人では成しえない想定外の歌が生まれる。
歌う喜び浸った一日でした。
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2021.1.19
2021年1月27日発売 3rdアルバム
Port de voix (ポール・ド・ヴォア)のプロモーションで、ラジオ出演が続きました。
3番組中ふたつがリモート出演。しかも生放送。
慣れない状況で思ったように話が運べなかったり、時間の配分がわからなくて戸惑ったりもしましたが、無事に終わりました。
パーソナリティの方々からさまざまな質問や、リスナーの皆さんの感想など、嬉しく拝聴しました。
「歌手活動を再開のきっかけ」
「レコーディングの苦労は?」
こうした質問は共通しています。お答えしながら、これまでの自分の歩んできた道を思い返しました。
かつての歌手活動があって、今ここにいるんだと。
昔いただいた数々の歌という宝があって、数年前の松井五郎さんとの出会いがあり、28年ぶりのアルバムへと繋がっている。
かなり想定外の道もあったけど、ここにたどり着くために選んだのだとすれば大きな間違いではなかった、としみじみと感じます。
今はアルバム発売に向けて、まずはわたしの歌手活動を知っていただき、歌を聴いていただくのが目的ですが、アルバム発売はゴールではなく通過点。
この先の点をひとつひとつ増やして、線で結んでいくことが本当の歌手活動だと思っています。
今後も引き続きラジオ出演を予定しています。
詳細が分かり次第お知らせしますね。
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2021.1.12
いよいよアルバム発売が近づいてきました。
2021年1月27日発売 3rdアルバム
Port de voix (ポール・ド・ヴォア)
タイトルは「声を運ぶ」という意味です。
昨年からいくつかラジオ番組に呼んでいただき、歌のお話をさせていただきましたが、今週末から3日連続でラジオ出演が続きます
まずは1月16日(土)FMヨコハマ「Travelin' Light」
翌日1月17日(日)JFN系「Sunday Flickers」
そして1月18日(月)文化放送「くにまるジャパン」
すべて生出演です。歌手活動再開や最新アルバムについてなどをお話する予定です。
番組ではこれまでに配信された曲や新アルバムからも何曲かお聴きいただけるかと思います。
放送時間や地域についてはそれぞれ番組名にリンクしましたので、お確かめください(JFN系「Sunday Flickers」は局によって放送時間が短いところがあります。わたしは7時以降の出演です)。
どの番組もradikoで(地域によりradikoプレミアム)で聞き逃し配信もあります。
再び緊急事態宣言の発出で、なんとなく気持ちが滅入ってしまいますが、この時期に28年ぶりのアルバムが出るのは偶然ではないように思います。
歌は歌うだけではなく、聞いてくださる方に届いてこそ。この時期に聴く歌は、平時に聴くのと違う意味が生まれるのかもしれません。
いつかこのコロナ禍を振り返って、自分が何をして、何を考えていたかを確かめるときに、このアルバムのことを思い返していただけたら幸いです。
そして近い未来、有観客でのレコ発ライブができることを祈ります。
その日までみなさんも無事にお過ごしくださいね。
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2021.1.05
新しい年を迎えました。
この年末年始は、いつもと違ったという方が多かったかもしれません。
子供の頃は、テレビで長時間にわたる時代劇が放送されていたのを覚えています。今はありません。隠し芸もなくなりました。
でも変わらないものもあります。
年末はレコード大賞や紅白歌合戦を観ていました。
どちらも華々しいものですが、特に紅白は歌い手にとっての大舞台。今回は史上初、無観客での生放送でした。
観る側も曲や歌手を通じて一年を振り返ったり、初めて出合う歌もあったり、一緒に番組を観た人を思い出したり、人それぞれの想いが交錯する番組です。
年始はお笑い番組と駅伝などスポーツ中継が増えますが、年末を締めくくるのは、なぜ歌なのでしょう。
歌には「メッセージ」があるから、だとわたしは思うのです。ここでいう「メッセージ」とは具体的なものでなくても、なんらかの強い想いのこと。
また、同じ歌を大勢の人が同時に聴くというのは、紅白ならではです。
同じ歌から受け取る、感じとるメッセージは人によって違う。ある人には響かなくても、別の誰かの心を捉えてしまう。
年末に歌から受け取った自分だけのメッセージは、過ぎた一年を総括し、これからの日々を照らす光になってくれるはず……紅白を観て、そんなことを思いました。
本年もよろしくお願いします。
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2020.12.28
2020年は誰にとっても思いがけない年となりました。
音楽活動を振り返れば、
2月の初ライブ、4月のYouTubeチャンネル開設、
10月に27年ぶりの新曲「いつも」配信。
12月には「プレゼント」「レアリゼ」「名前のない海」の3曲同時配信することができました。
中でも初ライブは、今考えればギリギリのタイミングで開催できました。まだマスク、アルコール消毒必須になる前で、会場には満員のお客様がいらっしゃいました。
その後、ライブもレコーディングもできなくなり、先の見えない日々が続きました。
この間、音楽番組で星野源さんが緊急事態宣言下で発表された「うちで踊ろう」を歌っているのを観ながら、当時の自分や周囲の状況を思い返しました。
あの期間は原因不明の胃痛に襲われるなど、自分で自分の心身コントロールができず、本当に困りました。あの時、自分を助けてくれたのは松井五郎さんの発案で急遽開設したYouTubeチャンネル。「家歌」と題したシリーズは、自分の家で歌を録音したものです。
物音が静まる深夜、ひとり歌うことが唯一の支えになっていました。
それに比べ今は、不安はあるけどどこか開き直った心境です。自分にはどうしようもないことに、震えていても仕方がない。
この先の地図はないけど、いま自分ができることを見つけて、やっていけばそれが自分の道になっていくはず、そんな風に思います。
不安でたまらなかったあの日の自分の手を取って、声をかけてあげたい。
「音楽はずっとそばにあるよ」と。
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2020.12.22
久々にYouTube 家歌シリーズの動画をアップしました。
今回は長渕剛さんの「僕だけのメリークリスマス」をカバーさせていただきました。作詞は松井五郎さん、作曲は長渕剛さんです。
これまでYouTubeではオリジナル、セルフカバー、そしてカバーとさまざまな曲を歌って、多くの反応がありましたが、今回は意外な方から連絡をいただきました。
その方はわたしの両親の友人。長渕剛さんのファンだそうで、会社宛に「YouTube見ました」とメールが来て、感想が記されていたのには驚きました。最初に聞いて感じたこと、繰り返し聞くうちにまた違う思いが生じたこと……心のうちを丁寧に綴ってくださいました。
おそらくこれまでもわたしのYouTubeは観ていたのだと思います。でもわざわざメッセージを送りはしない。わたしも似たようなことはあります。
たとえば「観た」「聴いた」感想を全く知らない方なら気軽な気持ちで言えるかもしれないけど、多少なりとも知っている、関係がある方と言い難い部分があります。
お世辞ではなく、思うところや感じたことを伝えるのが、相手への敬意だと思うから。
両親の友人はきっといろんな躊躇を超えて真剣にメッセージをくださったんだな、と有難く思いました。
「僕だけのメリークリスマス」は皆さんへのクリスマスのご挨拶代わりでしたが、歌うことでわたしの方が素敵なプレゼントをいただきました。
すでにお知らせしましたが、12月16日に「プレゼント」「レアリゼ」「名前のない海」同時配信リリースしました!聴いていただけますように。
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2020.12.14
森恵さんのストリングスコンサートへ行ってきました。
恵さんには、2021年1月27日発売 私の3rdアルバム「Port de voix (ポール・ド・ヴォア)」に「まわり道」を提供していただき、そのご縁もあり、10月の森フェスにも出演させていただきました。
今回は感染症対策を行い、有観客、同時配信のハイブリッドで開催されたステージ。恵さんは本当にパワフルで、最初から最後まで歌声が揺るぎない!恵さんのもうひとつの「声」であるギターは弾き語りの数曲だけで、ボーカリストに徹しているのがわたしには新鮮でした。
今年はたくさんのアーティストの配信ライブを楽しみましたが、やっぱり生のステージは別物だと思います。画面で見たり聴いたりするのとは違う、ライブは「体験」「体感」すること。
観客席で聴いていると、ざらついた心が一気に洗い流されるようです。
どんなにリハーサルをしても、本番がその通りにいくわけじゃないからアーティストはいつも未知の挑戦をしています。その覚悟がダイレクトに伝わるのがライブ。ステージの恵さん、神々しくてひれ伏したくなりました。
有観客でも無観客配信でもアーティストがやることは変わりません。観客は同じ場所で共有するか否か、その違いです。
コンサートの余韻に浸りながら帰宅して、早速アーカイブ視聴。遠目ではわからなかった恵さんの表情、衣装、舞台装置、タイトルと歌詞がクレジットされて、映像もクリアで美しい。配信ならではの工夫があって何度も観られるのがいい。いろんな事情でライブに行けない方にも視聴手段が増えたのは、コロナ禍に射した数少ない光だったかもしれません。
これからは、こうした形のライブが普通になっていくのか……少なくともしばらくは続きそうです。でも別々の良さがあって、わたしはライブの楽しみが2倍になりました。
どんな暗闇でも、光を見つけて進んでいけば何かが見えてくる。そんなことを思ったコンサートでした。
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2020.12.07
ある音楽家が執筆した小説を出版前に読ませていただきました。専業作家とは違ってパターン化されていない、型にはまらない独特の手触りがあって、音楽家ならではの音やリズムを感じる物語。楽しみながら読了しました。
そもそも小説は、音も映像もない文字の羅列。でも読み手に文字から音や映像を想像させてしまうのが小説とも言えます。
読んでいる自分だけに聴こえる音があり、見える画があるから小説は面白い。
2002年に発売された宇多田ヒカルさんのアルバム「DEEP RIVER」の表題曲は輪廻転生をテーマにした歌詞で、彼女自身の考えや人生の哲学が反映されているように思います。
この曲は遠藤周作の長編小説「深い川」から宇多田さんがインスパイアされて作った、と後から知り、この曲に惹かれた理由の一端はそこにあるのかも、と考えました。
10代のころに小説『砂の城』出会い、以来既刊と新刊を追いかけて読んできた遠藤周作作品。遠藤作品の深いテーマは、どれだけ掘り起こそうとしても力が足りません。だからこそ繰り返しページを開いてきました。
「DEEP RIVER」を聞くたびに『深い川』を思い返します。わたしの中で音楽と文学が一対となったはじめての体験。
そして12月16日に配信リリースする「名前のない海」と拙著『トランスファー』もまた一対となっています。
どちらかを聴いて、あるいは読んでくださった方が、もう一方にも興味を持ってもらえたら嬉しいです。
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2020.11.30
映画「家なき子 希望の歌声」を観ました。原作と違い、映画の主人公レミは類い稀なる歌の才能を持っています。彼の出自と運命が音楽に導かれるように明らかになるのが見どころ。
映画のような大きな物語でなくとも、知らず知らずのうちに聞いていた歌やメロディが記憶に埋まっている…そんな経験があります。
わたしの母は歌が好きで、その歌声で刷り込まれた曲がいくつかあります。
特に印象的なのは山口百恵さんの『絶体絶命』。原曲を聴く前に母が歌う『絶体絶命』を聴いて曲を覚えました。
当時小学生だったわたしが、覚えたばかりの『絶体絶命』を歌うと、周囲の大人たちが喜んでくれるので、ますます張り切って歌いました。
今考えれば、三角関係の男女の心象を歌う小学生の姿が面白かったんでしょうが……。
母が歌っていたから覚えたのもありましたが、自分自身がこの曲を好きにならなかったら歌うはずがない。
後に百恵さんが歌う『絶体絶命』の動画を見てパフォーマンスも曲も「かっこいい」と思いました。
母もわたしと同じように「かっこいい」と思ったのかもしれません。
時々「絶体絶命』を聴くと、あの頃の母の歌声が耳に蘇ります。
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2020.11.24
12月16日、三曲同時配信リリースすることはお知らせしましたが、その中の一曲「名前のない海」を作っていただいたシンガーソングライターQoonieさんのライブへ行ってきました。
有観客ライブは今年の2月以来。その間に配信ライブを視聴するばかり(一度は出演する側に)。
収容人数は定員の半分ですが、観客がいると雰囲気が違う。心地よい緊張感が漂う中、いよいよ主役が登場。
来年20周年を迎えるQoonieさんのこれまでの軌跡を辿るようなセットリスト。
久々の生音と拍手が会場いっぱいに広がり、その空間にいられる悦びに浸りました。
二部のラストでは「名前のない海」を披露されました。
自分が歌う時は平気なのに、Qoonieさんの歌声に自然と涙があふれてきました。
この曲が歌手活動再開のきっかけになり、そして母を見送った曲になったこと…きっと人生の節目を思い返すときには、必ずこの曲が頭の中を巡るのだろう、と思いました。
「名前のない海」は拙著『トランスファー』から始まり、松井五郎さんの詞によって世界観を広げて頂き、Qoonieさんのメロディがついて歌へと進化しました。
再び自分の元へ返ってきた時は驚き、そしてその後にこんなに大事な意味を持つ歌になるとは想像もしませんでした。
歌は過去からのメッセージのようでもあり、未来を予言するようでもある…。そう思わずにはいられません。
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2020.11.16
来年発売のアルバムのお知らせをしたばかりですが、その前月、12月16日に新曲の配信リリースが決まりました。
カバー一曲、オリジナル二曲の三曲同時リリースします。すべて松井五郎さんの作詞です。
一曲目は玉置浩二さんのカバー「プレゼント」。
YouTubeの「家歌シリーズ」の際に松井さんから提案していただいた一曲です。優しく包み込むような歌詞とメロディ。歌っている自分が癒されるようです。
二曲目はピアニストで作曲家の中村由利子さんに作っていただいた「レアリゼ」。
「レアリゼ」とは「夢を実現する」という意味で、2月の初ライブのタイトルにもなった曲。ライブではゲストとしてお迎えした中村由利子さんにピアノを弾いていただいて歌いました。
三曲目は「名前のない海」は拙著『トランスファー』刊行の際、わたしから松井さんにお願いして、小説の世界観を詩の形で著していただき、その詩にシンガーソングライターのQoonieさんが曲をつけてくれました。
思いがけない贈り物のようなこの曲を、昨年26年ぶりに人前で披露し「また歌いたい」という気持ちを確信しました。
また、宝物が増えました。
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2020.11.09
アルバムの詳細な情報が解禁されました。
2021年1月27日発売 3rdアルバム
Port de voix (ポール・ド・ヴォア)
タイトルは「声を運ぶ」という意味です。
28年ぶりの3rdアルバム、ようやく完成しました。
歌手活動を再開したのが昨年秋。
松井五郎さんからたくさんの素敵な曲を提案していただき、嬉しい反面、自分が歌っていいのだろうかと度々考えました。
なぜなら思ったように歌えないから……。
曲のイメージは膨らむのに、実際に歌うとイメージに手が届かない。高いハードルを前に、ただ見上げるしかない日もありました。
春には緊急事態宣言のためレコーディングはストップ。YouTubeを立ち上げ、家でひとり歌う中で、自分の歌と真正面から向き合うことができました。
そうして試行錯誤の末、高いハードルに指をかけるくらいまではいけたように思います。
できれば軽々とハードルを超えてみたい。
それはこれからの課題です。
ようやくできた念願のアルバム、わたしだけでなく、これまで関わってきた方々の想いも込められています。想いが形になっていくのに28年の歳月が必要だったのかもしれません。
本当に歌を再開してよかったと思います。
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2020.11.02
念願の新曲「いつも」が配信リリースされました。
配信前日、眠れなくて全然仕事がすすまない。そんな自分の状態に少し驚き、思った以上に緊張していることを自覚しました。
そして迎えた配信当日、朝からたくさんの「おめでとう」の言葉が届きました。
その言葉を不思議な気持ちで受け止めていました。
今回の「おめでとう」は27年ぶりの新曲リリースに対してのお祝いの言葉。
2月のライブ以来の節目となる日を迎えたことをともに喜んでくれる言葉。
それぞれの「おめでとう」に触れて、胸が温かくなりました。
来年には28年ぶり、3枚目のアルバム発売予定です。
スタートしたばかりの音楽活動、ここからどこへ向かうのか、まだわかりません。
できれば自分でも想像できないくらい遠くを目指したい。
そのためにもっと努力しなければとも思います。
そして楽しく取り組むことも忘れたくない。
心をどれだけ熱くできるか、そんな挑戦かもしれません。
YouTubeには「いつも」information動画がアップされています。
また、家歌シリーズの「いつも」動画があります。配信された新曲と聴き比べていただけると嬉しいです。
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2020.10.26
2020年10月28日、シングル曲「いつも」配信リリースになります。
すでに「とくダネ!」やChageさんのラジオでもお知らせしていますが、27年ぶりの新曲です。
一度は離れてしまった歌に再挑戦する機会をいただき、約一年の間、初ライブ、YouTubeチャンネル、そしてアルバム製作に取り組んできました。
物事を始めるのに、自分では測れないタイミングがあると思います。
音楽活動の再開はまさにそれで、昨年秋でなければきっと踏み切れなかった。
再始動にあたり、かつての経験も四半世紀を超えるブランクも自分の中で一旦無にし、一から取り組んできました。
思い通りに歌えず、歌のイメージがつかめず暗中模索の時期も……この年になってオロオロとする自分が面白くもあり、悔しくもありました。
ステイホームの時期は、レコーディングもできなくなって落ち込みましたが、YouTubeチャンネルという場を得て、初の宅録に挑戦。この時に自分の歌と向き合ったことがひとつの契機になり、自分の歌の形が少しつかめたように感じます。
夏にレコーディングを再開。そしてついにシングル曲配信リリースの日を迎えます。
ここまで導いてくださった松井五郎さんには感謝しかありません。
ここはゴールではなくスタート。
これから多くの方に歌を届けられるように頑張らなければなりません。
そして次のステップ、次のステージに向けて出来ることを探して実戦していきたいです。
わたしの力は本当に微々たるもので、多くの方の力をお借りしていますが、このまま借りっぱなしでは終われません。
恩返しをするためにも、自分自身のためにも続けていきたい。
今後ともよろしくお願いします。
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2020.10.19
先日、Chageさんがパーソナリティを務めるJFN系「Chageの音道」にゲストとして呼んでいただき収録しました。
2018年、松井五郎さんの「GORO MATSUI SONGBOOKS Vol.10」にChageさんがメインでご出演の時に、観客として伺ったことはありますが、お話するのは初めてです。
わたしのYouTube channelで松井さんが作詞、Chageさん作曲の「永い一日」をカバーさせていただいていますが、今回あらためて曲制作のエピソードや感想などを拝聴しました。
カバー曲は原曲の制作者、歌い手のイメージを壊したり、イメージを損なわずに歌うことを心がけていますが、やっぱり不安はあります。
でも今回はChageさんの言葉に勇気をいただきました。
ぜひラジオで確かめてください。
10月28日配信リリースのシングル「いつも」にも触れていただき、音楽活動の話を中心に楽しい時間を過ごしました。
放送日はネット局により変わりますが、
10月24日(土曜日)放送
FM 大阪(土)5:00〜
FM 福岡(土)24:00〜
KISS FM (土)26:00〜
FM 石川(土)26:00〜
FM AICHI(土)27:00〜
FM 長野(土)28:00〜
10月27日(火曜日)放送
ふくしまFM(火)20:00〜
詳しくは各番組HPをチェックしてくださいね。
これから、またどこかで音楽について話す機会があればお伝えします。
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2020.10.12
10月10日、森恵さんの配信ライブ「Plugless」に出演しました。
恵さんのデビュー10周年&2005年開催の「森フェス」第二弾ライブ、素敵なミュージシャンばかりのライブに声を掛けて頂き、光栄です。
個人的には2月のJZbratでの初ライブ以来のライブでした。
今回は日本橋三井ホールという広い会場で無観客開催という大変贅沢なライブ。
出演が決まって、何度もリハーサルを重ねて迎えた本番は、やはり緊張しました。
アーカイブを確認して反省点ばかり見つけてしまいますが、こんな素敵な舞台に立てたこと、恵さんとのセッションはこの上ない宝になりました。
気がつけば「もう一度歌いたい」と松井五郎さんにお願いしてから一年が過ぎました。
様々な楽曲を歌う中で、自分の歌について考え、力の至らなさに気落ちする日もありますが、気を取り直してまた歌い、そして今に到ります。
これからもその繰り返しなんでしょうが、一年前と同じ場所にいないことは確かです。
これからどこへ向かい、どんな景色が、見られるのかまだわかりませんが、まだ見ぬ次の世界を目指していこうと思います。
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2020.10.05
NHK「SONGS」で佐野元春さんの歌を聴きました。
これまで佐野さんの音楽は、自然と耳にしていましたが、あまり詳しくは聞いてきませんでした。そんな私にとって、デビューから40年の軌跡を駆け足に紹介する番組VTRは新鮮なものでした。
1992年のヒット曲「約束の橋」は当時好きだったことを思い出しました。この歌を「自分のバックグラウンドで流れている歌だと思ってほしい」と佐野さんは答えておられ、最新作の「エンターテイメント!」は、「今」だからエンターテイメントにかける佐野さんの思いを感じました。
インタビュアーの質問「いつまで(佐野さんの音楽は)そばにいてくれますか」に対し、「約束はできない。またいつもどおり、コンサート会場でみなさんと良い時間を過ごしたい。その時を夢見て、今アイデアを蓄えている」というようなことを仰ったのが印象に残りました。
どんな時も何かしらの困難はあって、いつも、今できることを続けていく。それは変わらない。
永遠にそばにあるものはない。
だから今そばにあって、奏でられる音楽は尊いのだ、と思いました。
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2020.9.28
この夏、レコーディングをしていたことはsnsなどでお伝えしていましたが、ついに来月シングル曲の配信が決まりました。
10月28日「いつも」を配信リリースします。
作詞は松井五郎さん、作曲は松本俊明さん。
YouTubeチャンネルの家歌のシリーズでも公開しましたが、配信リリースにあたって安部潤さんにアレンジしていただき、あらためてレコーディングしました。
2月の初ライブでも歌った「いつも」は、母についての歌です。
昨年の冬に初めてこの曲をいただき、それからライブリハーサル、ライブ、宅録、一人の時もずっと歌い続けてきました。
繰り返し歌っているうちに、歌がだんだんと沁みてきて、その時々の心境や解釈、歌い方が変化しました。歌は鏡のようでした。
今も歌うたびに、いろんな思いが込み上げます。
27年ぶりのシングル曲「いつも」、たくさんの方に聴いていただきたいです。
詳細は追ってお知らせしますね。
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2020.9.22
森恵さんの配信ライブのため、リハーサルをしています。
2月の初ライブも緊張しましたが、今回はまた違う緊張があります。
恵さんとのセッションはもちろん初めて。
無観客配信ライブも初めて。
否が応でも緊張が高まります。
一人で悩んでいても解決しない。
この緊張を解くためには、練習です。
リハーサルでは失敗したり、間違えたり、いろいろダメ出しをいただいたりします。
でもわたしはこの時間が割と好きです。
試行錯誤をし、いろいろな方法を試す内に、これまでと違う歌い方や解釈がうまれることもあります。
最初からうまくはできない。けどやり続ければ確実に、少しずつ変わっていける。そう信じて。
恵さんのステージを無事につとめ、わたし自身も楽しめるよう、今やれることを精一杯やりたいと思います。
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2020.9.14
シンガーソングライターの森恵さんの配信ライブにゲストで呼んで頂きました。無観客での配信ライブ、アーカイブもあるようです。
恵さんは今年メジャーデビュー10周年。本来なら全国ツアーを行う予定でしたが、コロナの影響ですべて中止に。それでも早い時期からYouTubeライブや配信ライブの活動を精力的に展開されています。
これまでバンド、アコースティック、弾き語りとさまざまな形でのライブを見せて頂きましたが、家で画面越しにいつもエネルギーをもらいました!
そして今回は「森フェス」
恵さんゆかりの素晴らしいミュージシャンのみなさんの中に、自分がいるのが不思議で、光栄です。
2月のわたしの初ライブにお越しいただいて以来、恵さんにはお目にかかれないままですが、わたしのYouTubeにてリモート出演していただき、音楽を通じて繋がっていることを実感しました。
やっと会えるだけでなく、それがステージだというのも二重に嬉しいです。
恵さんには「まわり道」という曲を書いていただきましたが、松井五郎さんの歌詞の通り「まわり道が一番近い」のかもしれません。
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2020.9.7
感染症拡大防止のため、多くのアーティストが配信ライブを行うようになり、誰もが家にいながらライブを観る機会が増えました。
先週は私もChageさんのオンラインライブ「君に逢いたいだけ」を観ていました。
今回は私の仕事仲間のひとりで、長年のChageさんファンも参戦。ライブ直前、「では会場で!」と、LINEを送り、それぞれ自宅でライブに臨みました。
ライブ後、再びLINEで感想を伝え合いながら、ふと「実際のライブと同じことをしている」と苦笑しました。
ライブは同じ空間で、同じ音に触れた喜びを見知らぬ誰かと分かち合い、一曲終わるごとに拍手を送る。知人が共にいれば、余韻が醒めないうちに一緒に食事やお茶をしながら感想を語り合う。
ライブの最中はもちろん、終わった後も楽しいんですよね。
Chageさんのライブでもかなりの数の方がチャットに参加され、一曲ごとに拍手が起こりました。ライブ終了までチャットでは言葉が飛び交い、ワイワイとした空気が画面に広がっていました。
どこからでも観ることができる配信ライブは、これまで行きたくても行けなかった方に、ライブの扉を開いてくれました。
生ライブと並んで、これからのライブの形になっていくのでしょう。
いつかわたしも挑戦してみたい!そう思いました。
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2020.8.31
YouTubeにメッセージをアップしました。
レコーディングの模様も少しだけ。
バックで流れているのは、お気づきかもしれませんが新しくアレンジした「風の姿」です。92年に録音して以来、久々に歌いました(宅録は除いて)。
昔の歌を聴くと、とても声が若いと思います。
年齢とともに声の変化はありますが、エンジニアの方には「声はあまり昔と変わらないですね」と言われました。
変化といえば、歌い方。かつての歌い方とは少し違う歌い方になりましたが、これは意識的なものです。
こういう歌い方は、自分の内面の変化からくるものでもあるし、松井五郎さんのアドバイスも大きい。そして歌への解釈、受け止め方の変化です。自分でも「風の姿」をこんな風に歌うとは想像しませんでした。
安部潤さんのアレンジも力になりました。いまの中江有里に相応しい「風の姿」に導いてくれました。
一つの曲を通して、自分の変化を知ることができるのは面白かったです。
そんな変化も含めて聴いてもらいたいし、かつての歌を知らない方には新しい歌として聴いてもらえたら嬉しいです。
曲の全容の発表は、もう少し先になります。アルバムタイトルも決まりそうです。
もうしばらくお待ちくださいね。

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2020.8.24
しばしの間、お休みしていましたMUSIC REPORTですが、実はその間もレコーディングをすすめていました。
90年代の歌手活動以来、四半世紀以上過ぎて、久々に過ごすレコーディングスタジオでの時間はとても充実しています。
曲が完成に近づいていく過程で、歌うだけではない、新たな音楽の楽しさを体験できて、とても刺激になります。マイクの前に立っていなくても、デモテープの時とはがらりと変わるアレンジに、どんな歌い方をしたらいいか試行錯誤する時間。そこからもう歌ははじまっている、そう感じるようになりました。
難しいフレーズをクリアできず、悔しい思いをすることもありますが、OKが出た瞬間は、また新しい風景が見える気がします。
壁は乗りこえるためにあるんだ、と自分に言い聞かせています(笑)
レコーディングも佳境に差し掛かっています。
頑張ります!!
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2020.8.3
レコーディング再開しました。久しぶりのスタジオは少々緊張しましたが、やっと戻れたという喜びが大きかったです。
でもここに至るまで、待つ時間はとても長く感じました。
今年2月の初ライブ後、世の中は思いもよらない変化に見舞われ、ライブもレコーディングもままならぬ状態になり、決まっていた仕事も次々に中止、延期に。
誰とも会えずにステイホームする時間は、いろんなことを考える時になりました。
予定していたレコーディングがストップしたこともそうですが、予定通りに行えるのは当たり前ではなく、恵まれていただけなのかもしれない。
繰り返される似たような日々も、どれひとつ同じ日はない。
以前よりも1日には重い意味があり、歌えることが奇跡のような時間に思えます。
コロナ禍にはじめたYouTubeでは初めて宅録に挑戦。歌うことについて、ひとり思索する時間になりました。もっと早くにこういう時間を持つべきだったのかもしれませんが、ひとりになれたから持てたのだとしたら、ステイホームにも意味があったのだと思います。
4月から毎週アップしていたYouTube家歌シリーズはしばらくお休みします。YouTubeで公開できる新しい企画も考え中です。レコーディングの様子もお知らせしつつ年内には皆さんに聴いて頂けるように頑張ります。お時間があれば、過去の家歌もまた聴いてみてください。二十数年ぶりに再開した歌手中江有里に慣れて頂けたら(笑)ライブもまたやろうと思っています。皆さんとお会い出来る日が来ますように。
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2020.7.27
「風の姿」のC/W の「いつかあなたに逢ったら」のセルフカバーは、アカペラに初挑戦しました。
初挑戦、と書きましたが、家で歌うときはいつもアカペラ。声だけを録音しています。
その声にピアノやバイオリンなどの演奏を重ねられたものが、YouTubeにアップされます。
今回は松井五郎さんから「今回はアカペラでやります。お楽しみに」と言われて、どんな風に仕上がるのか待ち遠しく思っていました。
コーラスとアレンジを担当してくれたNeo-Risさんは、YouTube上で玉置浩二さんの曲をアカペラで公開されている方。松井さんからのオファーで、今回の共演が叶いました。
まったく面識はないけど、熱意とクオリティはYouTubeから伝わります。
Neo-Risさんによって曲の細部まで隙間なく声で彩られ、生まれ変わった「いつかあなたに逢ったら」ぜひ聴いてください。
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2020.7.20
今回セルフカバーした「恋が綺麗になった」は「真夏の楽園」のC /W曲。
当時出演していたNTTのCMソングに使っていただきました。
CMのコピーは「声が綺麗になった」。
CMソングでは「恋が綺麗になった」。
「こえ」と「こい」の一文字違いで、意味がまったく変わります。
「恋が綺麗になった」は、あまり使わない言い回しですが、メロディにのることで「恋」という言葉がさまざまにイメージを広げてくれるよう。
「夢が綺麗になった」というフレーズも同じく、目には見えない夢の眩しさや煌めきを感じます。
歌いながら、18歳の夏を思い出しました。


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2020.7.13
「見つめてほしいの」のセルフカバーをしました。
これまでに出したシングルA面をすべて歌いました。
実はシングルはすべて実家に保管してもらっており、手元に2枚のアルバムは持っていましたが、長らく聴くことはありませんでした。
昨秋、音楽活動再始動に向けて、あらためて手元のCDを聞きました。
歌から離れていた長い時間を感じると同時に、これまで封印していた気持ちをはっきりと自覚しました。
わたしはずっと歌いたかった。でも叶わないから、距離を置いていたんだ……そう思います。
かつての音楽活動をたどるようなセルフカバーは、当時の記憶を浮かび上がらせます。
今の自分ならどう歌うか?毎回楽しみでなりません。
音楽の神様がくれたプレゼント。
大切にしたいと思います。
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2020.7.6
カバーシリーズ第三弾はビリーバンバンさんの「雨の組曲」。菅原進さんの作曲です。
二月のライブでは菅原さんの前で歌わせていただき、とても緊張しました。
雨の日は憂鬱になりますが、この雨ならいつまでも空を見上げていられる……歌いながらそんな気持ちになりました。
もう一曲「名前のない海」は昨年26年ぶりに作っていただいた新曲。拙著『トランスファー』のために松井五郎さんが書いてくださった詩に、シンガーソングライターのQoonieさんが曲を付けてくれました。
小説『トランスファー』は「自分以外の誰かを信じることができるか」がテーマの一つです。
未知のことを信じるのは怖いけど、その先にこれまでと違う何かがうまれる……何事もそうだと思います。
これまでも、これからも誰かに信じてもらえる自分でいたい。
歌うわたしもそうありたいです。
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2020.6.29
家歌シリーズ10回目は「やさしい贈り物」のセルフカバー。1stアルバム「メモワール」の一曲です。今回はライブやYouTubeチャンネルでお世話になっているバイオリンの須磨和声さんとリモート共演しました。
本を読む自分を見つめるもう一人の自分がいる….そう感じることはよくあります。
読書は期間限定の夢を見ているようです。
歌い直して思ったのは、歌は本と似ているということ。
歌を歌う、歌を聴く、本を読む……どれも一方に流れていく時間の中にあり、その間はパラレルな世界に浸れる。終わると現実に還る。
旅にも似てますね。そこにいながら歌も本も遠くへと連れて行ってくれます。
いま旅をするのが難しい方に「やさしい贈り物」が空想の旅の手掛かりとなりますように。

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2020.6.22
1993年「DEUXMONTS」はわたしの唯一の映像作品。そこに収められた曲の中に「わたし泣かない」はありました。
90年代、松井五郎さんに書いていただいた4曲のうち、ただ1曲だけCDになっていない曲です。
長い年月の間に映像も音源も失ってしまい、わたし自身が歌から離れたこともあり、ずっと記憶の片隅に置かれたままでした。
そんなある日「DEUXMONTSを手に入れた」と連絡をいただきました。
こうして初めて歌った日から27年後、再び歌うことができるなんて……ある意味、運命的な曲だと思いました。
歌にはさまざまな物語があります。作り手が綴る物語、聴き手が想像する物語以外に、歌い手の個人的な物語もある。
「わたし泣かない」は、失われたはずのものが再び形になる、という幸福な物語になりました。
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2020.6.15
今回は1stアルバム「メモワール」の一曲「突然すぎて」をセルフカバーしました。
初アルバムには、シングル「花をください」「ままならぬ想い」が収録されていますが、この「突然すぎて」は冒頭に収められており、言わばアルバムの扉のような曲です。
恋のはじまりに戸惑う女性の心象風景を描いていて、当時の自分には大人っぽく感じました。
当時の音源を聴き直すと、精一杯歌う自分がそこにいて、くすぐったいような懐かしい気持ちが溢れます。
昔の曲を歌い直すと、かつての自分と比較してしまいますが、変わらぬ部分に気づかされることもあります。
わたしの芯の部分は、そのままなんだと。。。
そうした発見もセルフカバーの醍醐味です。
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2020.6.8
松井五郎さんから提案されたカバーの二曲目は
Chageさんの「永い一日」。
構えなく歌い始めると、メロディから言葉がこぼれそうになったり、逆に言葉が先走ると音が余ってしまいます。そうならない為に、原曲のリズムをくりかえし体に染み込ませました。
語るように歌う、あるいは歌うように語る……初めての体験でした。
そうして歌った「永い一日」はとても心地よく、まるで水にたゆたうようでした。
この曲を聴きながら、何度も両親のことを想いました。娘のわたしが知らない、二人過ごした月日を想像して涙してしまったことをここに記しておきます。
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2020.6.1
今回「ままならぬ想い」「真夏の楽園」をセルフカバーしましたが、両方とも当時のわたしの年齢(18歳)にあわせて作っていただいた曲です。
実は「真夏の楽園」は作詞してくださった松井五郎さんの昨年のトークライブで、「ままならぬ想い」は今年2月の初ライブで披露しました。
あれから四半世紀以上の月日が過ぎているというのに、実際歌ってみて、自分でも驚くほど違和感がありませんでした。
あの頃の自分も精一杯歌っていたと思います。
今の自分は、かつての自分と肩を組んで、一緒に歌っているような気持ち。
ずっと離れていた間も、そばにいてくれた歌と再び仲良くなれたようで嬉しいです。

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2020.5.25
ある日、松井五郎さんからカバー曲を提案されました。それが玉置浩二さんの「プレゼント」。
好きな曲ですが、自分が歌うなんて想像もしませんでした。
自分の中にメロディと歌詞を染み込ませようと、繰り返し原曲を聴き、その上で新たな曲に出逢ったつもりで歌いました。
「型破り」な表現ができるのは原型があるからで、形を無視すれば「形無し」になってしまう。
ある歌舞伎俳優がこんなことを仰っていましたが、歌のカバーも同じように思います。
すでに完成された原曲、背景や意味やイメージはそのままでも、自分が歌えば必然的に表現は変わっていく。声もKeyもアレンジも違うのだから。
原曲に連れられて、新しい風景を見せていただいた気分。
私には、思いがけない「プレゼント」でした。
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2020.5.18
公式YouTube channelの家歌シリーズ三曲目は、中島みゆきさんに書いていただいた「風の姿」でした。
連続ドラマ初主演作品「綺麗になりたい」の挿入歌として、毎回劇中で流れました。
わたしの役は「風子」という明るくポジティブなエステティシャン。いつも早歩きで、ハキハキという振る舞い。これまで演じたことのない役柄でした。
時々自分が「風子」に乗っ取られる感覚を覚えるほどパワフルなキャラクターでした。
直接みゆきさんに伺ってはないのですが、一見明るく元気な「風子」の本心が「風の姿」にあらわれているのでは、と思っています。
女優と歌手は表現手段が違いますか、「風子」の明るさの裏にあるものを歌が浮かび上がらせてくれたから、この役を演じられたのかもしれない…。
わたしにとって「風の姿」はもう二度と演じられない「風子」に逢うことができる「風子」のテーマ曲です。
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2020.5.11
私が実家を離れたのが15歳。母と暮らした15年。
すでにその倍以上の日々が過ぎました。
「いつも」という曲を初めて歌わせていただいたのは2月のライブでした。
昔、歌手になりたかった母は、私が歌を再開したことを何より喜び、ライブにやってきました。
ライブの翌日、体調を崩していたはずの母は驚くほど元気で「歌がパワーになった」と笑っていました。
「体を大事にして」別れ際、母は手を握ってきました、それは娘の私のセリフなのに…苦笑しつつ、母はいつもそうだったことを思い返しました。
いつも私を心配し、励ましてくれる。どれほど時が過ぎても、どんなに離れていても……。
「いつも」を歌うことで、これから何度も母のありがたさを感じるのだろうと思います。
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2020.5.4
15歳で上京したわたしはお芝居やダンスとともに歌のレッスンを始め、いつか人前で歌える日が来る夢を見ていました。
幸運にも映画、テレビドラマ、CM出演を重ね、17歳になったわたしの目の前に歌手の扉が開きました。
デビュー曲を飛鳥涼さん(ASKAさん)が書いてくださることになったと聞いたとき、まだ夢を見ているような気持ちでした。
あれから30年近くの月日を経て、デビュー曲「花をください」をセルフカバーし、公式YouTubeチャンネルにアップしました。
「家歌-Sing at Home-」シリーズ第一弾です。
歌は時を超えて今もわたしを支え、素敵な夢を見させてくれています。
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2020.4.27
すでに観てくださった方もいるかもしれませんが、開設したばかりのYouTubeチャンネルに新しい動画をアップしました。
シンガーソングライターの森恵さんに書いていただいた「まわり道」です。恵さんにはギターとコーラスの動画を撮っていただき、わたしは自宅で収録。
恵さんにお目にかかることなく、こんな形で共演できるのが不思議で、離れていても近くに感じられて嬉しかったです。
「まわり道」は2月の初ライブで歌ったのですが、いま歌うと、この現状と重ね合わせずにいられません。
松井五郎さんの歌詞に励まされ、恵さんのメロディーに背を押されながら、ひとり歌いました。
まだという方は是非観て、聴いてください。
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2020.4.20
中江有里公式YouTube Channel開設しました。
アップしたのは「草の想い」です。
4月10日にお亡くなりになった大林宣彦監督の映画「ふたり」の劇中歌、主題歌で、監督が作詞、久石譲さんが作曲され、タイトルロールでは監督と久石さんが歌われました。CD化の際は「ふたり」出演者の中嶋朋子さんが歌っています。
「ふたり」は、わたしのスクリーンデビュー作で、この曲を聴く度に尾道で過ごした16歳の夏を思い出します。
そして完成作品を見た時の感動がよみがえります。
そんな思い出深い「草の想い」を2月の初ライブで歌わせていただきました。
30年前に聞いた曲を今歌ってみて、あらためて詩の意味に感じ入ってます。
大林監督の映画はもちろんですが、音楽にも独自のフィロソフィーというべきものがあるように思います。
「草の想い」を通して、監督のフィロソフィーを伝えられたら幸いです。
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2020.4.13
少し前に見た映画「ジュディ 虹の彼方に」でジュディ・ガーランドがステージに立つ場面がありました。舞台裏のジュディはとても歌えそうにない状態なのに、ステージでは別人のように輝く……あのパワーはいったいどこから出てくるのか。
客席とジュディの間に生まれる愛が、彼女に、そして拍手を送る観客自身に大きな力を与えている…
ふと自分のライブを思い出しました。
「あなたはどんな気持ちでステージに立ったの?」
ジュディに訊かれた気がしました。
予想もしてなかった事態に、東京以外で計画していたライブの予定が立たず、再開したばかりの音楽活動も一旦仕切り直しに。
ただ、この時間は、きっと意味のある時間。ジュディの問いかけに応えられる自分になるために。
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2020.4.6
気軽に人と会うことがままならず、ひとりで過ごす時間がより増えました。それはミュージシャンも同様で、自宅から音楽を配信する方が増えています。ネットの進化があっての状況はひとつの救いかもしれません。
わたしは配信を出来るだけリアルタイムで観るようにしています。通常のライブと同様、ある時間に一堂集まって音楽に触れたいと思うから。
歌う人、聴く人がそこにいて、互いの萎えかけた心を支えあう。直に触れ合う事も言葉を交わす事もできないけど、そこにしかない関係が生まれる。
苦しい時ではあるけれど、音楽は「独りではない」そう思います。
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2020.3.30
あるテレビドラマのカラオケボックスの場面。
台本には、わたしが演じたミキという子が「歌いながら泣き出す」と記してありました。監督から「あなたの好きな歌で」と言われ、悩んだ末に選んだのはTHE BOOM「風になりたい」でした。
歌いながら泣くシチュエーションならしっとりした曲の方がふさわしいのかもしれない。あえて「風になりたい」にしたのは、震災で親しい友人を亡くしたミキの感情を逆算して、彼女が幸せだったときの思い出が詰まった曲を歌うことで、言葉にならない悲しみを表す場面だと思ったから。
撮影当日、楽しく歌いはじめて、途中から思い出と涙が溢れてきました。
いまも「風になりたい」を聴くと、ミキの気持ちがよみがえります。演技から生まれた思い出や感情が歌と重ね合わされて、自分の一部になってしまったよう。。。不思議な経験でした。
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2020.3.23
高校時代、教科書に載っていた曲が気になり、洋楽好きな友人に「この曲、知ってる?」と訊ねました。
「Yesterday Once More うちのお母さんが好きなんだよね」
そうしてカーペンターズという名を知り、CDを買いました。
「カレンの英語の発音が綺麗」という友人の言葉に、発音を精一杯真似して歌ったこともあります。特に好きだったのは「Rainy day and Mondy」「Close to you 」「I Need to Be in Love」
友人宅に遊びに行った際、友人そっちのけで母親とカーペンターズについて話をしたのも思い出深いです。
ボーカルのカレンが亡くなったあとでカーペンターズに出会いましたが、聴いている時はカーペンターズと同時代にいるような気がしました。
それはいまでも変わりません。歌には時を越えていける力があります。
私もそんな歌が歌えるようになりたい。そう思います。
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2020.3.16
「風の姿」作詞・作曲 中島みゆき 1992
デビュー曲「花をください」を受け取った大分の山中で撮影していたのが初主演映画「奇跡の山 さよなら名犬平治」でした。この映画の主題歌を歌ってくださったのが中島みゆきさん。以来みゆきさんの曲を遡って聴くようになりました。そんなご縁で4枚目のシングル「風の姿」を中島みゆきさんに作っていただきました。この曲がわたしのもとに届くまでのご縁を、歌いながら噛み締めていました。
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2020.3.12
「ままならぬ想い」作詞 来生えつこ 作曲 羽田一郎 1992
セカンドシングルです。イベントやテレビなどでもっとも歌った曲かもしれません。日本でジャケットを撮る時間がなくて、別の撮影で行ったハワイで撮りました。それくらい多忙な日々でした。
今回のライブで口を揃えて歌ってくださる方がいらっしゃるのに気づき、あの当時から応援してくださったんだ…とわかりました。歌いながら感謝の気持ちが込み上げてきました。
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2020.3.9
「草の想い」作詞 大林宣彦 作曲 久石 譲 1991
わたしのスクリーンデビュー作「ふたり」の主題歌で、映画では大林宣彦監督と久石譲さんが歌われています。まさか自分のライブで歌う日が来るとは想像もしませんでしたが、メロディを耳にするだけで映画「ふたり」の世界が脳裏に浮かびます。映画は観るだけじゃなく、聴くものでもあるんですね。
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2020.3.5
「あなたに ありがとう」作詞・作曲 松本俊明 1992
2ndアルバム「Deux couleurs」の中の一曲。当時、レコーディングで思うように歌えず苦戦しました。長い月日を経て歌いながら、その理由がわかったような気がします。この歌を届けたい人がうまく想像できなかったからかもしれません。また、心を開くことで声も出てくることをこの歌に教えてもらいました。
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2020.3.2
「やさしい贈り物」作詞 青木せい子 作曲 石川カンジ 1992
こちらも「memoire」から。読書好きのわたしの日常を切り取ったような曲です。いつも読書するときは今の自分ではなく、本に魅せられれた幼い頃の気持ちに戻ります。この曲も歌っていると、自分の中の幼い少女が声を合わせてくれているような気がします。

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2020.2.28
「突然すぎて」作詞 来生えつこ 作曲 羽田一郎 1992
1stアルバム「memoire」の最初を飾る曲です。映画という虚像とそれを見ている現実のシチュエーション。自分の反応に戸惑い、心揺れる主人公を演じるような気持ちで歌いました。お芝居はまったく自分とかけ離れたキャラクターになり切る面白さがありますが、歌も同じですね。
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2020.2.25
「花をください」作詞・作曲 飛鳥涼 1991
ASKAさん(当時は飛鳥涼さん )が作ってくださった曲を受け取ったのは、映画のロケ地である大分の山の中でした。カセットテープに収められたメロディが、イヤフォンから流れ出した瞬間を思い出します。これがわたしのデビュー曲、と思ったらいろんな気持ちが一気に込み上げてきて震えました。
歌が舟だとしたら、大海へ出るわたしを無事に沖合まで運んでくれた素晴らしい舟で、今もまったく揺るぎなく、わたしをどこまでも運んでくれそうな気がします。
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2020.2.15
JZBratでの初ライブ、無事終わりました。
当日のセットリストです。
セットリスト
一部(1~7)はこれまでの中江有里の歌、
二部(8~16)はこれからの中江有里の世界でお送りしました。
2020.2.12
ライブ前、最終リハーサルでした。
バンドメンバーが揃い、音が奏でられると、言葉にならない高揚感に包まれます。
ずっと歌っていても疲れを感じません。アドレナリンが出ているんでしょうね。
素晴らしいメンバーと2月13日のステージにあがれること、本当に心強いです。
何よりも聴いてくださるお客様がいることが、わたしを励ましてくれます。
明日お越しの予定の皆さま、会場でお待ちしています!
バンドメンバーとともに。撮影は松井五郎さん。
2020.2.10
10代のころ、歌のレッスンでさまざまな曲を歌いました。
中でも荒井由実さんの「翳りゆく部屋」はとても好きだったけど、
思うように歌えなかった歯痒さを憶えています。
最近、エレファントカシマシの宮本浩次さんがカバーした
「翳りゆく部屋」を聞きながら、歌い手によって歌はこんなにも変わるのだ、と改めて思いました。
歌に答えがあるとするなら、歌い手の数だけあり、その答えを歌いながら探し続けていくのかもしれない。
今、自分のために書かれた曲を歌いながら、そう感じています。
ライブリハーサルに来て下さったピアニストの中村由利子さんと。
いよいよ今週、ライブです!

2020.2.3
先日NHK『SONGS』でデビュー20周年を迎えた
鬼束ちひろさんが歌っていました。
2000年デビューされた当時、よく聴いていたアーティスト。
変わらない歌声に胸が熱くなります。
最新作「書きかけの手紙」はこれまでの苦悶と、
それを乗り越えた解放感に溢れていました。
聴きながら、わたしもあれから20年生きてきたのだと、
過ぎた年月に想いを馳せました。
歌は多くを説明しなくても伝わるし、歌い手と聴き手は
別々の道を来ても、また出会いなおせる。
歌からいただいた刺激で、さらなる気力が沸いてきました。
2020.1.27
いよいよリハーサル。
今日はピアノのQoonieさん、
バイオリンの須磨和声さんと一緒です。
本当に歌は全身運動だと思います。
終わってしばらくすると、疲労感に襲われる。
でも決してイヤなものではなく、むしろ心地よい。
まだ課題はあるけれど、ひとつひとつクリアしていきたい。
いま胸にある喜びを大切に、邁進します!!

